



コンセプト&プラン
私の母の実家は、6帖と8帖の二間つづきの和室があり、それに沿うように縁側がありました。
そこは、子供のころ母の実家に預けられることが多かった私の遊び場でした。
冬は陽射しで暖かく、友達とのコミュニケーションの場でもありました。
夏は花火を出したり、すいかを食べたりしました。
祖母はそこで芋を干したり、銀杏を乾かしたりしていました。
思い出深い場所です。そんな縁側での経験をされた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、縁側の有用性を再認識し、現代の生活の中に取り込んだ形で計画をしてみました。
もちろん、敷地の広さ、接道条件、方位、周辺の状況、世帯構成、生活スタイル等により計画は考えられるものであり、その都度設計することになります。ひとつの考え方の提案です。
現代の縁側の有用性
緩衝空間(光と影、熱、空気、結界)
自然と対話する場(陽射し、樹々、鳥、風、季節感)
コミュニケーションの場(家族、近隣、友達、ペットと)
外部と一体的な半屋外空間(開放性と遮蔽)
パッシブソーラー空間(軒の出による太陽高度に対しての陽射しの制御、夏季の陽射しの遮蔽、冬季の陽射しによる熱の取り込み)
日常は通路としての役割であるが、非日常的な癒しの場
心を豊にさせてくれるような場所